2007年8月24日金曜日

県警:元実業団サッカー選手、歯科助手から転身…転職組活躍、さらに期待 /静岡

 ◇過去の職歴生かす例も多く
 県警で転職組の警察官が活躍している。企業にはないやりがいを求め、再チャレンジの場に県警を選ぶ人が少なくない。好景気で民間企業が採用を増やしており、優秀な人材は取り合いになっている。団塊の世代の大量退職も迫っており、県警はさらに転職希望者の挑戦を期待している。【望月和美】
 県警高速隊沼津分駐隊に勤務する篠原雄三巡査部長(34)は実業団のサッカー選手からの転身。一時はプロも目指したが、97年の実業団入り後は、けがで選手生活は約2年で終わった。99年に心機一転して県警に入り、現在は県内の高速道路での交通取り締まりにあたる。「現場での判断は自分でしなきゃいけない責任の重い仕事」と顔を引き締める。だが一方で、「市民から『ありがとう』と言われるのは何よりうれしい。会社では味わえなかったやりがい」と笑顔で語る。
 藤枝市の警察学校で学ぶ山中悦子さん(28)は歯科助手を4年間経験した。医療という全く違う世界からの転身に不安はあったが、何度か痴漢にあったことがある経験から「犯罪の女性被害者を守りたい」という思いが背中を押した。もうすぐ現場に出るが、「自分の手で犯人を捕まえたい」と窃盗を扱う刑事課への配属を目指している。
 このほか、元銀行員が収賄や汚職事件を扱う県警捜査2課に配属されたり、元システムエンジニアがサイバー犯罪を担当するなど、過去の職歴を生かした職場で働く人も多い。バスの運転手やホテルマン、証券会社員など経歴もさまざま。県警の採用担当者は「警察の仕事は幅広いので、どんな職歴の人でも合った仕事が見つかる」とPRする。
 県人事委員会によると、33歳までを対象とした10月採用の試験では、合格者に占める転職者の比率は、07年が71・5%と前年に比べ18ポイント増加している。